自動車に関する助成・免税制度
脊髄損傷者の移動手段として車は大変重要な存在です。アクセルやブレーキを手で操作する為の補助装置や、車いすのまま乗り降り出来る介護車など、現在では障害の程度に合わせて利用出来る車は数多く存在します。そして、これらの車を購入し、使用するにあたってさまざまな公的な助成制度があります。
社会復帰の為や、より快適な日常生活を送る為にも下記の制度をよく確認のうえご活用下さい。
消費税非課税(国税)
車両購入時、要件を満たしていれば購入者が誰であれ非課税となります。
【非課税の対象となる車】
・車いすを使用する方と車いすを一緒に移動出来るように、車いすの昇降装置を装備し、かつ、車いすを固定に必要な手段を施した車
・障害者が運転出来るように運転補助装置が装備されている車
※障害者本人が運転する為の「手動装置」は対象となります。その他、対象となる福祉車両の装備や、運転補助装置には決まりがありますので、詳細は各都道府県税事務所、または自動車販売会社にご確認下さい。
【申請方法】
手続きは自動車販売会社がするので、購入者は特に何もする必要はありません。
【ポイント】
車両本体と運転補助装置、改造費の他に、納車までに取り付けられた付属品(カーナビなど)も非課税になります。(登録手数料は課税)
ただし、これらの装置が納車時に装備されている必要があります。納車後に改造する場合は、改造費のみが非課税となります。なお、中古車も非課税対象となります。
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自動車税・自動車取得税の減免(地方税)
自動車税(軽自動車税)とは
自動車税(軽自動車税)とは、4月1日時点の車の所有者に対して、自動車の排気量に応じて課せられる税金です(4月〜翌年3月までの1年分を前払い)。
新車購入の場合は、購入月の翌月から3月までの月割計算で税額が決まります。以降、毎年払う必要がありますが、要件を満たしていれば減免の対象となります。
※排気量とは、エンジンがどれだけの空気を吸入・排出できるかを表すもので、エンジンの大きさや力の強さを示す指標となります。排気量が大きいほど力が強いということになります。
自動車取得税とは
自動車取得税とは、車を購入する際に1度だけ支払うもので、1度支払うと、同じ車を使用し続けている間は再び課税されることはありません。
新車購入の場合は、課税標準基準額に、税率(普通車5%、軽自動車3%)をかけた金額です。中古の場合は、新車販売されてからの経過年数により低くなっていき、課税標準基準額が50万以下の車には税金がかかりません。
購入時に要件を満たしていれば減免の対象となります。
※課税標準基準額とは、財団法人・地方財務協会が発行している「自動車取得税の課税標準基準額及び税額一覧表」に記載されている金額で、車種やグレードなどによって決められています。新車の場合、おおよそ新車価格の90%程度です。中古車の場合、実際の販売価格は関係なく、新車販売時の課税標準基準額(新車価格の約90%)に、残価率という数値をかけた額です。
なお、自動車税(軽自動車税)と自動車取得税は、地方税の為地域により違いがあります。詳しくは必ずお住まいの県税事務所や自動車販売会社などにご確認下さい。
ここでは、東京都の内容を記載していますので参考にしてください。
I.障害者減免
障害者手帳を交付された方が所有または使用する事で、一定の要件を満たす場合減免対象となります。
【減免の対象となる障害等級(身体障害者手帳の等級)】
・下肢機能障害 1〜6級
・上肢機能障害 1・2級
・体幹機能障害 1〜3級・5級
※脊髄損傷の方は概ね対象となります。
【減免の対象となる車】
次のいずれかに該当する車
所有者 (納税義務者) | 運転者 | 使用目的 | |
[1] | 障害者の方 | 障害者の方 | 日常生活の為に使用 |
[2] | 障害者の方 | 障害者以外の方 | もっぱら障害者の通院、通学等の為に使用 |
[3] | 障害者と生計を同じくする方 | 障害者の方 | |
[4] | 障害者と生計を 同じくする方 | 障害者以外の方 |
※個人名義の自家用自動車(車検証に「自家用」と記載されている自動車)に限ります。
※「生計を同じくする方」とは、「障害者の方と同居し生活を共にしている方」や、「障害者の住所地の近隣(2q以内)にお住まいの親族の方」のことです。
【減免額】
自動車税
45,000円を上限として減免されます。
納付額の例
総排気量 | 納税額 | 減免額 | 減免後の納税額 |
1L超〜1.5L以下 | 34,500円 | 34,500円 | 0円 |
2L超〜2.5L以下 | 45,000円 | 45,000円 | 0円 |
2.5L超〜3L以下 | 51,000円 | 45,000円 | 6,000円 |
3L超〜3.5L以下 | 58,000円 | 45,000円 | 13,000円 |
※総排気量2.5L以下は全額免除になります。
※総排気量3Lを超える車は納税額が発生します。
自動車取得税
課税標準基準額300万円相当分に税率をかけて出た額を上限として減免されます。
※普通自動車は税率5%のため、概ね15万円程度です。(軽自動車は税率3%)
例1
課税標準基準額400万円の新車(普通車)の場合
(400万円−300万円) × 税率0.05 = 5万円
5万円が納付すべき自動車取得税になります。
例2
課税標準基準額500万円で、1年経過している中古車(普通車)の場合
500万円 × 残価率0.681 =340,5万円
(340,5万円−300万円)× 税率0,05 = 20,250円
20,250円が納付すべき自動車取得税になります。
※残価率とは、新車販売時を1,0として、経過年数によって数値は低下していきます。課税標準基準額とともに決められています。
例3
課税標準基準額800万円で、3年経過している中古車(普通車)の場合
800万円 × 残価率0.316 =252,8万
(252,8万円−300万円)× 税率0,05 = 0円
なお、課税標準基準額が50万円以下の車には取得税はかかりません。
ただし、友達等からもらった場合でも、車種や経過年数などから計算され、取得税がかかる事もあります。
【申請に必要な書類】
障害者の方が所有(取得)者の場合
・減免申請書(主税局ホームページからダウンロードできます)
・身体障害者手帳
・運転される方の運転免許証
・所有(取得)者の方の印鑑
生計を同じくする方が所有(取得)者の場合は次の書類も会わせて必要になります。
・障害者の方と同居している事がわかる書類(住民票など)
・所有(取得)者の住所が確認できる書類(住民票など)
・生計を同じくする方が、近隣にお住まいの親族の場合、親族であることを確認できる書類(戸籍謄本など)
※新車購入の場合は、販売会社が対応してくれるので、身体障害者手帳、免許証、印鑑を用意していけば書類を記入する程度で大丈夫と思います。中古業者の方は詳しくない方もいると思いますので、ご自身でよく確認される事をお薦めします。
II.構造減免
車の構造を改造し、障害者の方が利用出来るよう車いすの昇降装置、固定装置または、浴槽などを装備する特別仕様の車
ただし、近年多く見られるようになった、自動車メーカーが福祉車両として売り出している車は、構造減免ではなく、障害者減免の対象となります。
【減免対象となる車】
- 障害者の方が専門に利用する事を目的に改造された車で、車検証の車体の形状が「車いす移動車」、「身体障害者輸送車」又は「入浴車」である8ナンバーの特殊用途自動車。(自家用・営業用の別は問いません)
- 車いすの昇降装置、固定装置などを装着する特別仕様の車で、障害者以外の方も利用可能な車。(自家用・営業用の別は問いません)
- 障害者の方が運転するために、運転装置などが特別な仕様になっている車で、タクシーなどに使用される営業車。
【減免額】
[1]の場合
自動車税、自動車取得税共に全額免除
[2]・[3]の場合:
自動車取得税の一部(構造変更に要した費用に税率をかけた額)を減免。自動車税の減免はありません。
【申請に必要な書類】
[1]の場合
・減免申請書(主税局からダウンロード可能)
・車検証のコピー(車体の形状が「車いす移動車等」であるものに限る)
・印鑑
・その他の添付書類(使用状況により違いがあるので、都税事務所などにご確認下さい)
[2]・[3]の場合
・減免申請書
・車検所のコピー
・構造変更の内容、価格を記載したもの
・印鑑
【申請・問い合わせ先】
都税事務所、都税支所、支庁、自動車税事務所、都税総合事務センター
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